この度、当会 業務執行理事 児玉慎一郎より、 コロナワクチン接種後に発症したME/CFSに対するビタミンD補充療養指導の効果について、日本神経免疫学会において発表致しましたのでご報告いたします。
一般社団法人ワクチン問題研究会
業務執行理事 児玉慎一郎
開催概要
https://smartconf.jp/content/jsni36/overviewhttps://smartconf.jp/content/jsni36/overview
日本神経免疫学会プログラム
https://smartconf.jp/content/jsni36/program
(10月4日 ワークショップ 登録番号114)
演題
COVID-19 ワクチン接種後発症の筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群 28 症例に対するビタミン D補充療養指導の効果
抄録
背景:COVID-19罹患後に長引く症状が報告されているが、COVID-19ワクチン接種後にも同様の症状を呈する場合がある。特に筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(Myalgic Encephalopathy/Chronic Fatigue Syndrome 以下ME/CFS)の診断に至る症例がある。当院のワクチン接種後症候群の患者80例の内、International Association for Chronic Fatigue Syndrome/Myalgic EncephalomyelitisによるPrimer for Clinical Practitioners 2014 Editionに記載されている診断基準に基づいてME/CFSと診断された患者28例についてレトロスペクティブスタディを行った。
方法:2020年12月から2024年2月29日の間にCOVID-19ワクチン接種後にME/CFSを発症した患者28例について、25OHビタミンD血中濃度を測定した。ビタミンD補充療養指導としては、食事指導、日光浴指導、経口ビタミンD補充等を行い、血中ビタミンD濃度変化、症状の改善について評価した。
結果:初診時の血中ビタミンD濃度はME/CFSと診断された28例中27例で不足または欠乏状態であった。ビタミンD補充療養指導で有意な血中ビタミンD濃度の上昇を認め、それに伴いME/CFSの診断基準を構成する症状数は有意に減少し、28症例中23症例(82%)がME/CFSから離脱した。症状のうち、睡眠に関する問題が最も改善された(改善率71.4%)。ついで自律神経に関する症状が改善された(改善率67.9%)。病的疲労は改善しにくい傾向にあった。治療経過中にビタミンD過剰症を来した症例はなかった。
結論:COVID-19ワクチン接種後に発症したME/CFSの症例でビタミンD血中濃度が不足ないし欠乏している場合には、ビタミンD補充療養指導を適切に行うことによって症状軽快が期待できる。