
現在、臨床研究 (新型コロナ感染後急性後遺症もしくはコロナワクチン接種後に発症した筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群の症例に対するビタミンD補充療養指導のランダム化比較試験) のためのクラウドファンディングを行っております。


新型コロナ罹患後、あるいは新型コロナワクチン接種後に発症する慢性疲労症候群によって、非常に多くの方々が、闘病を余儀なくされています。
慢性疲労症候群は医学的に正しくは、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome: ME/CFS)と呼ばれています。
厚生労働省研究班の実態調査によると、日本の罹患患者さんは約12万~36万人と推定され、その約3割は寝たきりに近い重症患者である深刻な実態が明らかとなっています。慢性疲労症候群の原因は未だ解明されておらず、現在有効な治療法は確立されていません。
今回、私たち一般社団法人ワクチン問題研究会は、ワクチン接種後の慢性疲労症候群に対する治療法の手がかりを見出しました。そこで、その治療法の検証を目的として「ランダム化比較臨床試験」を開始しました。
慢性疲労症候群で苦しんでおられる患者さんたちに1日も早く日常を取り戻していただくように皆様方の温かいご支援を伏してお願い申し上げます。
2つの「後遺症」
1.新型コロナ「後遺症」
新型コロナ罹患後に筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)を発症する症例が多発しています。新型コロナウイルス罹患後発症のME/CFSについては、実際に患者さんたちが国会に実態調査と研究に関する請願を出されています。
■ 新型コロナウイルス感染症と筋痛性脳脊髄炎の研究に関する請願第204回国会 衆議院 / 第204回国会 参議院


2.新型コロナワクチン「後遺症」
実は同様の深刻な問題として、新型コロナワクチン接種後にME/CFSを発症し、日常生活に支障をきたし、闘病を余儀なくされている患者さんもたくさんおられます。
去る2023年9月7日、私たちワクチン問題研究会は、ワクチン接種後症候群(PVS:Post-vaccination syndrome)の代表的な症状について記者会見で発表しました。
■ ワクチン問題研究会設立記者会見PVSデータベースレジストリー構築(ワクチン問題研究会設立記者会見 別紙資料)
当会会員医師による新型コロナワクチン接種後のワクチン接種後症候群(PVS)いわゆるコロナワクチン後遺症を呈する患者さんの診療実績アンケート調査で、半数を超える患者さんが神経系障害および/または一般・全身障害を訴えていることが判明しました。

本アンケート結果から、ワクチン接種後症候群(PVS)の相当数の患者さんが筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の診断基準に合致する症状を示していることが明らかとなりました。
慢性疲労症候群の症状
新型コロナワクチン接種後に発症する慢性疲労症候群の症状としては、以下図の黄色の丸で示した症状がみられます。


慢性疲労症候群とは
慢性疲労症候群(CFS:Chronic Fatigue Syndrome)は、世界中で最も広く活用されてきた医学書である「MSDマニュアル」にも疾患として明記されています。

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の診断基準
ME/CFSの診断をするために、症状として以下の項目を満たす必要があります。
■病的な疲労、労作後の消耗、睡眠障害、痛み、2つ以上の認知に関する症状
■以下のうちいずれか1つの症状に該当していること:
・自律神経系の症状、神経内分泌系の症状、免疫系の症状
■疲労や他の症状が次の期間、持続ないし再発していること
※成人で6ヵ月以上、小児および青年で3ヵ月以上、ただし早期に暫定診断が可能な場合もある
■症状が他の疾患では説明できないこと

慢性疲労症候群の治療法開発の
突破口となるビタミンDの不足/欠乏の解消
ワクチン問題研究会会員の児玉慎一郎医師は、新型コロナワクチン接種後に発症した慢性疲労症候群の患者さんにおいて、ビタミンDの血中濃度が不足ないし欠乏していることを見い出し、ビタミンD補充療法を行うことにより慢性疲労症候群の症状が大幅に軽減することを認め、記者会見で公開すると共に日本神経免疫学会で研究結果を発表しました。2024年3月28日 厚生労働省記者会見
2024年10月4日 第36回 日本神経免疫学会総会(抄録)
2024年10月4日 第36回 日本神経免疫学会スライド発表資料
2025年2月18日「Nutrition」掲載論文


治療法開発のプラン
治療法の手がかり
ME/CFSと診断された28人の患者さんに対して、血中ビタミンDを測定したところ、一例を除く全員に不足(30ng/mL未満20ng/mL以上)または欠乏(20ng/mL未満)していることが判明しました。そこでビタミンD補充療養指導を行った結果、血中ビタミンD値の上昇に伴ってME/CFSの診断基準と合致する症状数の減少が認められました。



治療法の確立に向けて
以上のことから、血中ビタミンD濃度が不足ないし欠乏している新型コロナワクチン接種後に発症したME/CFSの患者さんならびに同様の問題が起きている新型コロナ罹患後発症のME/CFSの患者さんも含めたランダム化比較試験(RCT:randomized controlled trial)を開始しました。
新型コロナ感染後急性後遺症もしくはコロナワクチン接種後に発症した筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群の症例に対するビタミンD補充療法療養指導のランダム化比較試験
本研究は「国立大学法人浜松医科大学臨床研究審査委員会」で審査され承認を得ました。2024年12月2日に臨床試験の登録内容が公開されました。
臨床研究データベース登録内容(jRCT:Japan Registry of Clinical Trials)
本特定臨床研究の登録進捗状況




補足資料

日本人の広範な
ビタミンD不足の事実
東京慈恵会医科大学の研究グループは、2019年4月~2020年3月までの期間に東京都内で健康診断を受けた5518人を対象に大規模な調査を行いました。その結果、対象者の98%がビタミンD不足であることが明らかとなりました。東京慈恵会医科大学報道発表資料(2023年6月5日)
栄養医学専門誌「Journal of Nutrition」掲載論文

医療従事者の9割が
ビタミンDの欠乏
国立成育医療研究センターの研究グループは、2021年3月1日~3月5日までの期間に医療従事者361人(男性87名、女性274名)を対象に調査を行いました。その結果、対象者である医療従事者の約9割がビタミンDの欠乏状態であることが判明しました。コロナ禍で医療従事者のビタミンD欠乏が顕著(国立成育医療研究センターHP)
英国医学専門誌「BMJ Nutrition, Prevention & Health 」掲載論文
2つの「後遺症」