治療法確立ワーキンググループ 臨床研究のお知らせ

この度、当会治療方法確立ワーキンググループにおいて、臨床試験を開始いたしました。

概要

研究タイトル:
「新型コロナ感染後急性後遺症もしくはコロナワクチン接種後に発症した
筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群の症例に対するビタミンD補充療養指導の
ランダム化比較試験」

研究のきっかけ

新型コロナ罹患後、あるいは新型コロナワクチン接種後に発症する慢性疲労症候群によって、非常に多くの方々が、闘病を余儀なくされています。
慢性疲労症候群は医学的に正しくは、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome: ME/CFS)と呼ばれています。

厚生労働省研究班の実態調査によると、日本の罹患患者さんは約12万~36万人と推定され、その約3割は寝たきりに近い重症患者である深刻な実態が明らかとなっています。慢性疲労症候群の原因は未だ解明されておらず、現在有効な治療法は確立されていません。

診断基準は以下を満たすものとなっています。
■病的な疲労、労作後の消耗、睡眠障害、痛み、2つ以上の認知に関する症状
■以下のうちいずれか1つの症状に該当していること:
・自律神経系の症状、神経内分泌系の症状、免疫系の症状
■疲労や他の症状が次の期間、持続ないし再発していること
※成人で6ヵ月以上、小児および青年で3ヵ月以上、ただし早期に暫定診断が可能な場合もある
■症状が他の疾患では説明できないこと

2024年3月に行った記者会見で発表のとおり、ワクチン接種後の慢性疲労症候群に対する治療法の手がかりを見出しました。
当会業務執行理事の児玉慎一郎医師は、新型コロナワクチン接種後に発症した慢性疲労症候群の患者さんにおいて、ビタミンDの血中濃度が不足ないし欠乏していることを見い出し、ビタミンD補充療法を行うことにより慢性疲労症候群の症状が大幅に軽減することを認めました。

児玉医師が「ME/CFS」と診断された28人の患者さんに対して、血中ビタミンDを測定したところ、一例を除く全員に不足(30ng/mL未満20ng/mL以上)または欠乏(20ng/mL未満)していることが判明しました。そこでビタミンD補充療養指導を行った結果、血中ビタミンD値の上昇に伴ってME/CFSの診断基準と合致する症状数の減少が認められました。
同内容は、児玉医師より、日本神経免疫学会にて発表されています。

今回は、その治療法の検証を目的として「ランダム化比較臨床試験」を開始しました。

実施医療機関

北海道:
医療法人社団 心 ほんべつ循環器内科クリニック
十勝むつみのクリニック

東京都:
蒲田よしのクリニック

兵庫県:
小林クリニック
医療法人それいゆ会 こだま病院 児玉診療所

クラウドファンディングを行っています

今回の研究には、臨床現場でかかる費用のほか、様々な手続き、統計等のデータ処理に費用を必要とするため、
クラウドファンディングを実施する運びなりました。

ご支援のお願い

人類に初めて使用されたmRNA核酸医薬製剤である新型コロナワクチンにより、日本のみならず世界的に体調不良を呈する方々の増加が社会的問題となっています。
新型コロナワクチン接種後に遷延する健康被害 (ワクチン接種後症候群:PVS)を、これまでにはない「新たな疾病概念」として捉え、ワクチン接種後症候群の病態像を明らかにし、診断基準を策定していくことは重要な課題となります。