【重要なお知らせ】血清25(OH)ビタミンDの測定と、ビタミンD補充・療養指導について

ビタミンDに関する知識が十分に共有されていない、あるいは誤って理解されていることにより、本来患者さんにもたらされるべき利益が十分に得られていない可能性があります。
そのため、一般社団法人ワクチン問題研究会として、以下の内容をアナウンスいたします。

1.ビタミンD不足・欠乏は極めて一般的である

血清25(OH)ビタミンD値を測定すると、非常に多くの方で「不足」あるいは「欠乏」が認められます。
実際に、

・2019年に東京都民5,518人を対象として血清25(OH)ビタミンD値を測定した報告では、5,396人(98.2%)に不足または欠乏が認められました。
Miyamoto et al,
Determination of a Serum 25-Hydroxyvitamin D Reference Ranges in Japanese Adults Using Fully Automated Liquid Chromatography–Tandem Mass Spectrometry
https://doi.org/10.1016/j.tjnut.2023.01.036

・また、2022年に国立成育医療研究センター職員を対象として行われた調査でも、4名を除き90%以上の職員に不足または欠乏が認められています。
Funaki T, Sanpei M, Morisaki N, et al,
Serious vitamin D deficiency in healthcare workers during the COVID-19 pandemic
https://doi.org/10.1136/bmjnph-2021-000364

実は既に、2010年に米国の Michael F. Holick が、「Vitamin D Deficiency Pandemic(ビタミンD欠乏パンデミック)」と題した論文において、先進国におけるビタミンD不足・欠乏の蔓延について警鐘を鳴らしていました。
その後、欧米各国で疫学調査が行われ、同様の状況が報告されています。


Holick, M.F.
The Vitamin D Deficiency Pandemic: a Forgotten Hormone Important for Health.
https://doi.org/10.1007/BF03391602

2.測定すべきなのは「25(OH)ビタミンD」である

ここでいう「ビタミンD」とは、すべて
血清25(OH)ビタミンD を指します。
血清1,25(OH)₂ビタミンD(活性型ビタミンD)ではありません。
この点は極めて重要であり、混同してはなりません。
摂取されたビタミンDは、


1.肝臓で 25(OH)ビタミンD に代謝され、
2.さらに腎臓で 1,25(OH)₂ビタミンD(活性型ビタミンD) に変換されます。

健常者では、活性型ビタミンDの血中濃度は一定範囲に維持されるため、ビタミンD不足・欠乏の評価指標としては適切ではありません。

3.ビタミンD不足・欠乏の判定基準

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書によれば、日本内分泌学会および日本骨代謝学会は、血清25(OH)ビタミンD濃度について以下の基準を示しています。

・30 ng/mL以上:充足
・20〜30 ng/mL:不足
・20 ng/mL未満:欠乏

したがって、血液検査で不足・欠乏しているのは、あくまで 血清25(OH)ビタミンD であり、活性型ビタミンDではありません。

4.慢性疲労症候群(ME/CFS)との関連

一般集団では、25(OH)ビタミンDが不足・欠乏していても、必ずしも明確な健康障害が顕在化しない理由は現時点では十分に解明されていません。
しかし、慢性疲労症候群(ME/CFS)の患者さんにおいては、ビタミンD補充および療養指導により、血清25(OH)ビタミンD値の正常化に伴って症状が一つずつ改善していく現象が観察されています。
これは、ビタミンDが単なる「活性型ビタミンDとしての作用」以外にも、重要な生理学的役割を持つ可能性を示唆しています。

5.治療・療養指導について

25(OH)ビタミンDの不足・欠乏を補う目的で、活性型ビタミンD製剤を処方しても、
本質的な改善にはつながりません。
したがって、


・食事指導
・日光浴指導
・ビタミンD3サプリメント補充

が必要になります。
しかし、食事のみで十分量を摂取することは困難であるため、多くの場合、サプリメント補充が必要になります。
一般的には、

・ビタミンD3
 25μg(1,000 IU)/錠
を用い、

・不足例では1日1錠以上
・欠乏例では1日2錠以上

を目安として開始し、約1か月後に再採血を行い、血清25(OH)ビタミンD値を再評価することが望ましいと考えられます。
不足・欠乏が改善した後も、適切な維持量を継続する必要があります。

6.研究結果

(1)Kodama et al., Nutrition, 2025
慢性疲労症候群患者28例中27例で、血清25(OH)ビタミンD値が30 ng/mL以下でした。


活性型ビタミンD製剤は使用せず、ビタミンD補充と療養指導を行った結果、
・全例で改善を認め、
・約80%がME/CFS診断基準から離脱
しました。


Kodama S, Konishi N, Hirai Y, et al.
Efficacy of vitamin D replacement therapy on 28 cases of myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome after COVID-19 vaccination.
https://doi.org/10.1016/j.nut.2025.112718

(2)Kodama et al., Nutrients, 2026
血清25(OH)ビタミンD不足・欠乏を有するME/CFS患者を対象にランダム化比較試験を実施しました。


その結果、
・治療群では35.9%
・対照群では2.9%
がME/CFS診断基準から離脱し、統計学的有意差(p<0.001)が認められました。


さらに、12週以降に対照群へ同様のビタミンD補充・療養指導を行ったところ、速やかに25(OH)ビタミンD不足・欠乏状態が改善し、それに伴ってME/CFS診断基準からの離脱が認められました。


Kodama S, Nakata M, Konishi N, et al.
Vitamin D in Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome After COVID-19 or Vaccination: A Randomized Controlled Trial.
https://doi.org/10.3390/nu18030521

7.ワクチン問題研究会としての提言

以上の研究結果を踏まえ、当研究会では以下を提言します。

① すべての患者さんにおける測定の推奨
症状の有無にかかわらず、日常診療において血清25(OH)ビタミンD値を測定することが望まれます。
(ただし、血清25(OH)ビタミンD測定は、現行制度上、「ビタミンD欠乏性くる病」および「ビタミンD欠乏性骨軟化症」に限り保険適用とされており、治療中の算定も3か月に1回までに制限されています。なお、慢性疲労症候群(ME/CFS)に対しては現時点で保険適用がなく、今後、保険点数化を含めた制度的整備が必要と考えられます。)

② コロナ後遺症・ワクチン接種後症候群患者では必須
特に、
・COVID-19後遺症(PASC)
・ワクチン接種後症候群(PVS)
が疑われる患者さんでは、血清25(OH)ビタミンD測定は必須と考えられます。

③ 不足・欠乏が認められた場合
不足または欠乏が認められた場合には、
・ビタミンD3 25μg(1,000 IU)/錠
・食事指導
・日光浴指導
を速やかに開始することが望まれます。
なお、現時点では保険適用の処方薬は存在しないため、サプリメントを購入していただく必要があります。

④ フォローアップ
月1回程度、血清25(OH)ビタミンD値を測定し、維持量を調整することが望まれます。

⑤ 他疾患においても重要
コロナ後遺症やワクチン接種後症候群に限らず、あらゆる疾患において、25(OH)ビタミンD不足・欠乏が認められる場合には、ビタミンD補充療養指導を行ったうえで、原疾患の経過を慎重に観察することが望ましいと考えられます。


(1)中年期早期の血清25(OH)Dとその後の脳PETにおけるTau沈着との関連
(Mulligan et al., 2026)
Mulligan MD, Scott MR, Yang Q, et al.
Association of Circulating Vitamin D in Midlife With Increased Tau-PET Burden in Dementia-Free Adults
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41938573/

(2)前糖尿病状態の成人におけるVDR遺伝子多型とビタミンD補充療法の糖尿病リスクに及ぼす影響(Dawson-Hughes et al., 2026)
Dawson-Hughes B, Huggins GS, Nelson J, Vickery E, Powers SN, Pittas AG.
Vitamin D Receptor Polymorphisms and the Effect of Vitamin D Supplementation on Diabetes Risk Among Adults With Prediabetes.
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2848109

(3)自己免疫疾患におけるビタミンDの役割(Vincenzi et al., 2026)
Vincenzi F, Smirne C, Tonello S, Sainaghi PP.
The Role of Vitamin D in Autoimmune Diseases.
https://doi.org/10.3390/ijms27010555


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人類に初めて使用されたmRNA核酸医薬製剤である新型コロナワクチンにより、日本のみならず世界的に体調不良を呈する方々の増加が社会的問題となっています。
新型コロナワクチン接種後に遷延する健康被害 (ワクチン接種後症候群:PVS)を、これまでにはない「新たな疾病概念」として捉え、ワクチン接種後症候群の病態像を明らかにし、診断基準を策定していくことは重要な課題となります。